【解説動画】免疫力を高めるビタミンC パート2

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免疫力を高めるビタミンCパート2
免疫力を高めるビタミンC パート2

免疫力を高めるビタミンC パート2 解説文
※文言は一部動画と異なる場合があります。

解説者: 
世界初、安定・持続型ビタミンCの発明者 薬学博士 武藤徳男

● 免疫強化作用

Q.ビタミンCにはこの免疫機能を高める作用があると言われていますが、本当ですか。

現在の科学においても、ビタミンCが免疫を高めると断定することに議論があります。しかし、その免疫機能を正常に発揮させるためにはビタミンCが必須で、かつ非常に高濃度のビタミンCが存在する必要があることは多くの結果が示しています。

資料 図3

図③は私たちがビタミンCを摂取した後の体内におけるビタミンCの輸送と分布を示したものです。小腸で一定量が吸収され、血液を介して全身のすべての細胞にビタミンCは届けられますが、大脳や神経組織由来ホルモン産生臓器(脳下垂体、副腎など)、眼球(前房水)、免疫器官(胸腺や脾臓)、そして免疫細胞(白血球やリンパ球)には血液中の濃度と比べて20~100倍も高濃度のビタミンCが存在することが分かっています。また、私たちのラットを用いた実験ですが、空腹時の胃液中にも高濃度のビタミンCが含まれていることもわかっています。
免疫細胞内濃度を調べた研究データでは、ふだんの血液中のビタミンC濃度は約70μM(マイクロモル)ですが、リンパ球では約4 mM(ミリモル)、単球では約3 mM、好中球では約1.2 mMといずれも非常に高い濃度になっています。つまり、免疫細胞には高濃度のビタミンCが細胞本来の機能発現のために必要であるといえます。このように免疫細胞には高濃度のビタミンCが含まれていなければ、十分な免疫反応が起こらないと言えます。

Q.安定型ビタミンC誘導体AA-2Gの免疫機能への作用については、どのようなことがわかっているのですか。

ある化合物の生物活性を調べる場合には、ヒトをはじめ動物由来の細胞を使った培養実験で基礎的な現象を解析します。しかし、ビタミンCは水溶液中では非常に不安定(短時間で分解等の化学変化を起こすため)で、免疫応答のように培養に長時間(数日間)を要する実験には役に立たず、作用解析ができなかったのです。しかし、安定型アスコルビン酸誘導体であるアスコルビン酸2-グルコシド(AA-2G)が開発されたため、長期間の培養実験においてもビタミンCの作用解析が可能になりました。

資料 図4

図④に示すように、AA-2Gを添加しておくと抗原刺激したヒト末梢血由来リンパ球中の抗体産生細胞数は顕著に増加します。これは抗原(異物)を認識したリンパ球だけが反応して自ら増殖し、自分と同じ細胞を増やして、結果として抗体産生細胞に変化してその数が増えるということを示します。さらに、免疫にかかわるBリンパ球やキラーTリンパ球の増殖もAA-2Gの濃度に依存して応答することを明らかにしています。このように、培養細胞を使った実験ですが、培地中にAA-2Gが存在すると、抗体産生も細胞性免疫もともに促進されることがわかりました。この時、培養期間中の細胞内ビタミンC濃度は高く維持されていましたが、ビタミンCそのものの添加では細胞内のビタミンCが枯渇していました。このことから、異物が侵入した場合の正常な免疫応答を発揮するためには、細胞に十分量のビタミンCが存在することが必要であると結論できるのです。